Design Atrium Tokyo2015で仕上げ削りの実演を行っておりました、テルチェアが完成しました。 これまでに、オリジナル椅子として「ボウチェア」「ペケチェア」「キューブチェア」を製作してきましたが、 実は「テルチェア」という名の椅子は開業して一番最初に製作した椅子になります。 開業してすぐに、木の家具40人展2012に出展をすることを決め、その時に形にしました。
上記のどの椅子も、自分が使いたいと思える物を形にした物ですが、 テーブルとの取り合わせやお客様のご要望も反映したデザインになっています。 ただ、テルチェアは決まったお客様にご提案するという物ではなく、 本当にただただ自分が欲しい椅子を形にしたものでした。 それから数年経ち、新たなデザインの椅子を製作していく中で、 テルチェアのデザインも少し変えたいと思うようになりました。
大きな要因はペケチェアとの違いを出したいと思ったからです。 ペケチェアは背もたれも張りになっており、座板の載る部分も×点に組んであります。 (だからペケチェアと言います。) もうその時点で大きく異なるのですが、デザインの印象でいうとそれほど差異がなく感じたので、 テルチェアは背もたれの削り出しの流れを全体的に感じさせるデザインにし、 ペケチェアとの違いを出そうと思いました。 元々のテルチェアはかわいらしい印象でしたが、今回の変更で大人な印象になりました。 どれも私がデザインしているので、大きな中心の部分は変わらないとは思いますが、 定番製品の椅子デザインのバリエーションが増えたのではないかと思っています。
また樹種や張り地によって、どの椅子もさらに印象が異なります。 早速、テルチェアのファブリック張りを次回製作します。 樹種はブラックウォールナットで写真と同じ物になりますが、革張りとファブリック張りでも 印象が大きく異なるので、私も完成が楽しみです。
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